これ以上近づいたら撃つわよ!

メルロリンドは元来弓と相性がいいエルフの中においても
かなり優秀な使い手であり
特に、機械弓を用いた能動物への射的は
同年代トップの成績を納めていた。

魔獣を威嚇するが、相手からしてもハイエルフという
めったにない獲物を前におめおめと引き下がることはない。
極上の肉めがけて猛然と襲い掛かってくる。

仕方ないわねっ!



 

魔道携帯から矢を召還しつつ、魔力をこめた矢を連射する。
なかなかできる芸当ではない。


魔獣もかなり高レベルらしく
飛翔する矢を避けるという芸当を見せる。

うわっ!やばやばっ・・・でもっ!
 

一瞬焦ったメルロリンドだが、今度は狙いを定めて矢を放つ。
動物を射るためには技術と経験だけではなく
野生のカンのようなものも必要となってくる。
それは彼女の得意とする分野であった。



もらった!!!



一発があたった時点で勝負はついた。
そのまま連続で放たれた矢は
破魔の効果で、魔獣の鋼のような毛と筋肉を貫き内臓に達した。






もう少し双方の距離が近ければ勝敗は変わっていただろう。
ここに来るまでの森の中で襲われていれば危なかったはずだ。


・・・・・・
・・・ふぅ・・・
けっこうヤバかった気がするけど無傷で勝っちゃったし
私って結構この旅で成長してるんじゃない?



よーし、なんかテンションあがってきた!
このまま行っちゃおうかな?

メルロリンドはエルフダンスを踊った!

古来より伝わる由緒正しいエルフダンスは
精霊の加護により傷を癒し魔力を回復する効果があるので
戦闘の後に舞われることが多い。

しかしメルロリンドの踊りは適当な我流なので
何の効果もない。

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